スマートフォンやウェアラブルを活用したヘルスケアサービスを企画するとき、
「このアプリは医療機器になるのでしょうか?」
という疑問が出ることがあります。
実際には、「健康データを扱っているから医療機器」「AIを使っているから医療機器」と単純に決まるものではありません。
厚生労働省は、プログラムの医療機器該当性についてガイドラインや判断事例を公表しています。
事業企画段階では、少なくとも次の3点を整理しておくことが重要です。
1. その機能は何を目的としているか
例えば、ユーザーが歩数や体重を記録・閲覧するだけの機能と、疾患の診断や治療を目的としてデータを解析する機能では、規制上の考え方が異なります。
厚生労働省のガイドラインでも、医療・健康情報の単純な表示・保管・転送のみを目的とするプログラムは、一定の場合に医療機器非該当と整理されています。一方、疾病の診断・治療・予防を意図する場合には、医療機器該当性を検討する必要があります。
つまり重要なのは、搭載している技術よりも、何のためにその機能を提供するのかです。
2. 出力結果がユーザーの判断にどう使われるか
同じ健康データを扱っていても、
「昨日より歩数が少なかった」
と表示する機能と、
「疾患の可能性があるため医療機関を受診してください」
と判定する機能では、その出力が持つ意味が異なります。
PMDAも、医療機器としての目的性に加え、意図したとおりに機能しない場合に生命・健康へ与えるリスクなどを踏まえて医療機器プログラムの範囲を説明しています。
3. 将来どこまでサービスを拡張したいか
MVPでは単純な健康管理サービスだったものが、
リスク予測
疾患の可能性の提示
治療方針の支援
へ発展することもあります。
その場合、後から規制対応を考えると、表示内容やアルゴリズム、開発プロセスそのものを見直す必要が生じる可能性があります。
したがって、「現在は医療機器か」という判断だけではなく、
将来どこまで医療に踏み込む可能性があるか
まで考えてプロダクトロードマップを設計することが重要です。
該当性に判断が必要な場合には、PMDAのSaMD一元的相談窓口を利用する仕組みも用意されています。
参考資料
- 厚生労働省「医療機器プログラムについて」
- 厚生労働省「プログラムの医療機器該当性に関するガイドライン」
- PMDA「SaMD一元的相談窓口」
